あなたを根本的に変えるたった1つの方法
過去の彼女と付き合っていた時こんなことを思いました。
「なんで僕と同じような食生活なのにこんなに肌キレイなんだ?納得いかない」
また、昔、僕の体型がガリガリだった時こう思いました。
「職場にいるおじさんは小食なのにあんなに太っていて、こんなに食べてる俺はなんでなかなか太らないんだ??kcalって概念どこいった?納得いかない」
世の中にはわからないことが多いんだなあ、と不思議に思っていましたが最近その正体はこれではないのかと衝撃を受け、これをみなさんにお届けしたく、今回の記事を書くことにしました。
その正体は
『腸内環境』です。
「ふーん、そっか。便秘になると肌荒れしたりするもんね。知ってる知ってる」
なんて思った方、腸内環境の良し悪しの影響を甘く見ていますね?
カナダの名門、マクマスター大学のプレシミル・ベルチック准教授によるこんな仮説がありました。
『マウスの腸内細菌(フローラ)を入れ替えたら性格が変わるのか?』
この仮説を元にベルチックさんはある実験を行いました。
その実験を理解するために予備知識として必要な説明をします。
1.無菌マウスの誕生
『技術の進歩によって 、まったく菌がいない無菌の空間を作れるようになりました 。すると 、病気を引き起こすような菌を一切排除した無菌状態で動物を育ててみようという科学者が出てきます 。無菌空間の中で 、マウスの赤ちゃんを帝王切開で取り出せば 「無菌マウス 」が生まれます 。さらに 、エサや水も完全に除菌したものを用意し 、空気中に飛んでいる細菌が侵入しないような方法で飼育します 。長年の研究の末 、ついにマウスを無菌状態に保つ方法が確立されました 。すると意外なことに 、無菌のマウスは 、普通のマウスよりも長く生きることがわかりました 。』
(「やせる!若返る!病気を防ぐ!腸内フローラ10の真実」より抜粋)
これだけ読むと「なんだ菌がいない方がいいじゃん」と思われるでしょうが、無菌状態のマウスは少しの物音にも過剰に反応したり明らかに落ち着きがなく、実験的なストレスに対し過剰なストレスホルモンを分泌しました。
多少なり腸に細菌を住まわせていた方が明るく元気な人生ならぬ鼠生を送れることは間違いなさそうで。
2.活発なマウスと臆病なマウス
マウスには現在約400種類いて実験の用途によって使い分けられます。
この中には活発なマウスや臆病なマウスもいます。
遺伝子的・種族的に活発なマウス・臆病なマウスを無菌化して、活発なマウス・臆病なマウスの腸内細菌を移せばその性質も移るのではないかとベルチック准教授は仮説しました。
人間のように陽気だとか根暗だとかいう性格であるかを調べることはできないので、ステップダウンという方法で実験を行いました。
内容は簡単なもので高さ5センチの丸い台の上にマウスを乗せ 、降りるまでの時間を計るというものです。
純粋な活発マウスや臆病マウスがこれを行うと、
活発マウス:17秒で降りた
臆病マウス:5分経っても降りず
という結果になりました。
この辺は種族差なのでしょう。
そして本題はこれからです。
3.腸内細菌を入れ替えた結果
無菌化した活発マウスと臆病マウスに、それぞれ活発マウス・臆病マウスの腸内細菌を移すと4種類のマウスができあがります。
これらの4種類のマウスが先ほど説明したステップダウンの実験を行うとどうなるのか?
(上記2枚の画像は「やせる!若返る!病気を防ぐ!腸内フローラ10の真実」より引用)
これ?すごくないですか?
遺伝子的に行動に対してネガティブなマウスが行動的になり、逆に行動的なマウスがネガティブな行動をするようになったり。
これには研究者も衝撃を受けたそうで、間違いがないか何度も繰り返し、なおかつ第三者にもチェックを行ってもらっています。
4.人間に適用できるのか?
「腸内フローラすごいじゃん、じゃあ人間にもやろうよ。」
と思いますよね。
既に適用した症例も出てきています。
・メタボリックシンドロームの人に痩せている人の腸内細菌を移して効果があると認められた
・偽膜性大腸炎が3日でかなり回復した
などなど。
しかし、現在は腸内フローラはまだまだ研究段階であることと、腸内細菌の植え付けには専門知識とちゃんとした設備が揃っていないと行うことは不可能です。
ですので、誤っても健康な人のウンコを自分のケツに突っ込むなんてバカな真似はしないようにしてください。
5.腸内がどのような状態なら健康なのか?
これらを踏まえた上で現時点でできることは何かを考えてみると、
腸内フローラの多様性を保ちつつ、善玉菌が優勢になりやすい環境を作ってあげることが重要
であると考えられています。
腸内フローラには善玉菌と悪玉菌と日和見菌が存在しています。
善玉菌が100%になれば健康というわけではなく、多様な菌が腸内に生息し、なおかつ善玉菌が優勢であることが一般的に健康であることが研究の結果わかってきました。
日和見菌は名の通り、普段は人間に得も害も与えない存在ですが、悪玉菌が優勢になると日和見菌がこれに加勢してますます腸内環境が悪くなってしまいます。
じゃあ具体的に腸内フローラをベストの状態にするには具体的にどうすればよいのか?
大変申し訳ないのですが、僕は腸内フローラを専門とした研究者ではないので一般論としての回答しかできません。
腸内細菌の割合は人によって違い、「これを食べればものすごく健康になれる!みんなぁ、ぜってーやってくれよな!」みたいな適当なことは僕の口からは言えません。
例えば日本人特有の腸内細菌がいることがわかっており、その細菌の働きのおかげで日本人は海藻を分解・吸収できます。日本を遠く離れた外国人にはこれができず、その原因は住み着いている腸内細菌の差であることが研究の結果わかりました。
近年になってこの健康に関する一大フロンティアが開拓され始めました。これから人間の健康に役に立つ製品が開発がどんどんされてくると思いますので期待して待ちましょう。
今は自分達ににできることは、腸内フローラを育てるという感覚を持って生活をすれば良い変化が必ず起こるはずです。
6.考察① 〜確実さを求め過ぎることの害〜
世の中にはまだまだわからないことがたくさんあります。
ありとあらゆることを紐解いていこうと思うといくらあっても時間がありません。
物事を完全に理解するためには原理・原則を理解した上で実践と反省と行って自分の血肉とする必要があります。
今回、僕が「あなたを根本的に変えるたった1つの方法」というタイトルをつけたのにもそれなりに思い入れがあります。
少し話はそれますが、僕は原理・原則を理解するのが不可能な場合は現象から判断することがあります。
例えば、とあるラーメン店に行列ができているとします。
僕は「群衆心理が働いてみんな群がっているだけかもしれない。でも今は時間はないがおいしいラーメンも食べたい。だからあのラーメン店の行列に並ぼう」と判断する時があります。
つまり
①全てのラーメン店はおいしいわけではない。
②行列のできるラーメン店はおいしい可能性が非常に高い。
③実際に食べずにおいしいラーメンが提供されているかどうかを確実に確認するには膨大なコストがかかる。
④今はお腹が空いていてすぐに食べたい。
という判断材料から行列に並ぶのです。
これと似たように次のことを考えました。
①乳酸菌を取り扱ったビジネスがあるが、それが確実に役にたつかはわからない。
②例えば乳酸菌飲料で有名なヤクルトは80周年を超える優良企業だ。つまり腸に対する良い生活習慣を作ることは人のに役に立つ可能性が非常に高い。(でなければとうの昔に潰れているはず。)
③腸内フローラの有用性を証明しようにも、いつになるのかわからない。
④既にこれだけの判断材料が揃っているのなら僕を根本的に変える可能性が非常に高く、早く自分を良い方向に作り変えたい。
という論理の流れから、僕はある程度の判断材料といくつかの原理・原則と現象を鑑みて腸内環境を良くする習慣を作ることは非常に効果の高い方法だと感じています。
効果の期待値は100%ではないですがそれに近いと僕は思っています。
研究結果を待っていてはジジイになってしまうので、興味がある方はぜひ始めた方がいいです。
7.考察② 〜腸内フローラと生きる〜
細菌が効率よく繁栄するために昆虫・植物・動物と共存する方法を取るようになり、その恩恵を互いに与え合うようになりました。
人と腸内フローラの相互互助関係は次のようなものだと僕は考えます。
【腸内フローラ → 人間】
①分泌ホルモンによる多幸感や精神の安定。
②より多くの種類の食物からの栄養吸収。
③栄養効率の効率化。
④外敵細菌や毒物からの防御。
【人間 → 腸内フローラ】
①細菌の食事確保。
②細菌の住みか提供。
つまり腸内フローラと人間は切っても切れない関係であり、互いの種の繁栄のためには必要なのです。
腸はあなたが思っているよりもあなたを大事にしてくれていています。
体に害のあるものが入ればいち早くそれを外へ出すために下痢などで押し流したり、必要以上の栄養は排泄物として出します。
そのときそのときを生きています。
それに対し脳はバカで怠惰です。
過剰なエネルギーを常に最高であると勘違いして、放っておくと塩分・脂質・糖質たっぷりの食べ物や甘い食べ物を食べがちです。
情報過多のこの時代に置いて何を信じたら良いかわからないこともあるかもしれませんが、もう少し腸の声を聴いて腸に対して良いことを心掛けると互いに恩恵を最大限得られると僕は考えています。
腸は生まれてから死ぬまであなたの腹の中にいてあなたに対して絶対に嘘をつかないし、死ぬ気であなたを守ろうとしてくれるくらいですから。
〜補足と予告〜
今回は腸内フローラの素晴らしさを布教するために今回の記事を書きました。
僕のブログは導入編として軽く読んでいただければ幸いです。
下記の本を読めばさらに腸内フローラについての知識が深まります。
(本当に布教したいだけなのでアフィリエイトとリンクしていません。)
今回は理論的な話や考察の話だったので、次回は「汎用的で効果が見込めそうな腸に良い具体的な方法論」という観点でブログを書こうと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。